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競争優位の源泉を探るフレームワーク:VRIO分析

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VRIO分析

競争の激しいビジネス界で、組織は常に競争優位を確保し、持続的な成功を達成する必要があります。
そのためには、組織の経営資源と能力を見つめ直し、最大限に活用しなければなりません。
ここでVRIO分析というフレームワークを使い、経営資源の中の競争優位の源泉を探ります。
このBRIO分析の提唱者は経営学教授のジェイ・B・バーニー氏です。
『企業戦略論 競争優位の構築と持続』というバーニー氏の著作の中で、競争優位のリソースを見出す『リソース・ベースト・ビュー』という手法が記されています。
VRIO分析はメリット次の2点です。

  1. 競争力の強化: VRIO分析は経営者に競争力を高めるための情報を提供します。自社のリソースや能力が競合他社と比べて優位である場合、経営者はそれらを戦略的に活用することで市場での地位を強化することができます。
  2. 持続的な差別化: VRIO分析は経営者に独自性を見つける手助けをします。自社のリソースや能力が希少であり、模倣が困難な場合、経営者は競合他社との差別化を図ることができます。これによって、顧客からの支持を獲得し、市場での競争優位を維持し続けることができるのです。


RIO分析は、Value(価値)Rarity(希少性)Inimitability(模倣困難性)Organization(組織)の4つの要素をYesかNOかで評価します。
これによって、企業や組織は自身のリソースや能力に対して客観的な視点を持ち、競争上の優位性を獲得するための戦略を立てることができます。


まず、Value(価値)の評価では、企業が提供する商品やサービスが顧客にとってどれほど価値があるかを検討します。顧客のニーズや要求に合致し、差別化を図ることが重要です。
価値のある提供ができることで、企業は競合他社との差別化を図り、市場での地位を築くことができるのです。
しかし、このValueでの差別化は一時的なものです。Valueだけでは競合に簡単に模倣されてしまい、すぐに差別化要因ではなくなってしまうからです。

次に、Rarity(希少性)の評価では、企業が持つ設備等のリソースや、技術力などの能力が他社に比べてどれほど希少であるかを分析します。希少性のあるリソースや能力は、他社が簡単には模倣できないものです。
これによって企業は、独自性を確立し、市場での競争上の優位性を確保することができます。
確かにRarityはValueに比べて技術、教育や大掛かりな設備など模倣に時間がかかる事柄で構成されていますが、時間の経過とともに徐々に陳腐化したり模倣が容易になったりと、持続的な差別化要因であるとは言えません。

Inimitability(模倣困難性)の評価では、他社が企業の持つリソースや能力を模倣できないかどうかを検討します。
VRIO分析の中で最も重要で競争優位の源泉となるのがこのInimitabilityです。
もし他社が模倣の難易度の差がありこそすれValueやRarityのように模倣が可能であれば、競争上の優位性を持続的に確保することは難しいでしょう。
経験がないと蓄積できない経営資源のことである経路依存性や企業文化などのいくつもの要因が絡み合って習得が困難な状態ののことである因果曖昧性などが模倣困難の要因として挙げられます。

最後に、Organization(組織)の評価では、企業が自身のリソースや能力を活用するための組織体制やプロセスを評価します。Inimitabilityで述べた経路依存性や因果曖昧性などはこの組織力が基盤となっています。

VRIO分析の手順は、1、Value(価値)→2、Rarity(希少性)→3、Inimitability(模倣困難性)→4、Organization(組織)の順に評価をおこない、4つの項目がすべてイエスであれば、「持続的な競争優位(VRIO)」とみなされます。
つまり、VRIOの状態とは稀少で模倣困難な高付加価値の経営資産を有しているとの評価されます。
逆にすべてがノーであれば競争劣位とみなされ、企業が有している経営資源に価値が見出せず、組織力も他社との競争力がないということになるため、撤退をも視野に入れて事業を存続について考えなければなりません。

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